父の入院生活が始まった。
が……面会禁止のため必要なものを届ける以外にできることがない。
しかも荷物を届けるといっても受付場所に預けるだけなので、病院に行ったところで父に会うこともなく、メールで「届けたよ」「ありがとう」というやりとりをするだけになってしまう。
この状況だと入院しているのかすら忘れてしまいそう……
などと余裕なことを言ってられるのは、父の症状が思っていたよりも軽かったからだろう。
はじめて脳梗塞と聞いた時の絶望感はかなり薄れた。
状況は
- 検査の結果、ラクナ梗塞という診断
- 入院は2週間の予定
- 手術はせずに投薬治療をする
- リハビリで日常生活ができるくらいまで回復を目指す
ということだった。
入院中は父も不安になるだろう。
その不安が少しでも紛れればいいと思い、孫の写真をたくさん送ることにした。
普段からあまり話さなかった父との会話のきっかけになるし、病状を聞く口実にもなるので、名案だと思った。
ところが、父の携帯が突然繋がらなくなった。
何かが起きた可能性もあるので、あわてて病院に父の状態を確認してもらった。
すると、看護師さんからは何事もなく元気だという報告を受ける。
突然繋がらなくなった理由は自分で電源を切っていたらしい。
電源を切った理由……真実を知るのが怖くて本人に聞くことはなかったけど、家庭崩壊したといっても40年以上親子関係を続けてきている私にはわかってしまう。
おそらく写真を受信するたびに通知がくるのがウザかったのだろう。
確かに頻繁に写真を送ってた。
元気付けようと思ってたから……必要なかったか?
まあ、元気そうで何より。
ここから退院まで薬とリハビリを続けるらしい。
後で聞いた話では大部屋で夜中も人の声がして眠れない日が続いたらしいです。
なので、通知がウザいと思う気持ちもわかるので遺恨はなかったです。
それと、入院中に使う髭剃りを、何も考えないでT字の髭剃りを買ったのですが、体が動きずらい状態では使い辛かったようで電動の髭剃りにの方が良さそうです。