走る[1歳4ヶ月]
1歳4ヶ月
1歳3ヶ月のはなしはこちら
移動手段が変わる
移動手段が「歩く」から「走る」に変わった。
その結果、息子の中に「歩く」という選択肢がなくなり、目的地に向かって1歩目から全力ダッシュするようになってしまった。
息子の思うままに走らせてしまえば「危険」か「迷惑」になる確率は100%。
自由に走らせるわけにもいかないので、説得するしかない。
息子 「うー!」(訳)走りたい!
私と妻 「今は我慢して」
息子 「うー!」(訳)走らせろ!
私と妻 「ダメなものはダメです」
好奇心に加えて自我も強くなりはじめている息子。
「走りたい気持ち」を我慢させることが大変だった。
まわりを見回しても、1歳くらいの子がダッシュしているところなんて見当たらない。
説得が大変で辛くなることもあり、そのたびに「なんで息子だけ?」と思っていた。
「走る」と「好奇心」と「自我
1歳4ヶ月、好奇心も自我も日増しに強くなっていく。
息子の「走りたい」という気持ちを我慢させ続けるわけにもいかないので、暇を見つけては公園へ連れていった。
公園なら誰の迷惑にもならないし、危険も少ないから、自由に走り回れるはず……そう思っていたけれど、公園には石ころ、砂利、木の実、落ち葉、など息子が大好きなものがたくさんある。
好奇心も自我もかなり強め、お気に入りのものを見つけたら意地でも離さない。
お気に入りをぎゅっと握りしめたまま走り出してしまう。
石ころなどを握りしめたまま走ってしまうと、転んだときに手をつくことができない。
危ないから、一旦預かろうとすると
私と妻 「ちょっと預からせて?」
息子 「うー!」(訳)俺の石ころ!絶対渡さない!
私と妻 「それなら走らないで?」
息子 「うー!」(訳)走る!
私と妻 「走るなら預からせて?」
息子 「うー!」(訳)何があっても渡さない!
どんなに説得しても、おとなしく渡してくれることなんて一度もなかった。
結局は強制的に取り上げることになる。
無駄な説得をしないで、最初から没収でもよかったのだろうか?
お気に入りの石ころを嬉しそうに持ち歩く息子を見ると、無駄だとわかっていても説得を続けてしまう。
まわりを見回しても、両手に石ころ持ったままダッシュしてる子なんて見当たらない。
自由に走らせるつもりだった公園でも「なんで息子だけ?」と思っていた。
しばらくはこのまま
「公共の場所では手をつないで欲しい」という最低限のお願いも、息子には関係ない。
どんな場面でも、つなごうとした手を全力で振り払ってくる。
ただ、走りはじめてから約1ヶ月半が過ぎ、手を振り払う気持もわからなくもないくらい、走ることが上達していた。
転びそうになっても、バランスをとって持ちこたえるようになり、何事もなかったように再び走り出せる。
もう助けは必要なさそうだ。
息子も同じ気持ちだろう。
だからといって、自由にした途端「危険」か「迷惑」に向かって脇目もふらずに走りだすことはわかっている。
説得することは大変だけど、しばらくは続けるしかない。
大変すぎてつらくなったときは
「好奇心100%で走り出しちゃう時期も、そのうち終わってしまう。今だけの貴重な姿」
これを心の中で繰り返すことで、自分に暗示をかけて乗り切ることにした。
しかし、どんなに暗示をかけても、息子の「うっー!」を聞いた瞬間に簡単に解けてしまうので困っている。
おわり
「歩くまでのはなし」のつもりが、「歩く」の途中で「走る」に変わってしまった。
そこからは「走るか」「止まるか」の二択。
「歩く」ことがなくなってしまった。
なので確認はできていないが「歩くまで」という意味では、走り始めたときには歩けていたと思う。
たまに、息子が歩いている貴重な場面に出くわすことがあったけれど、走れるだけあって、体を倒しながらでも、傾けながらでも、転ぶことはなく、止まることも進むことも、どんな道だろうと自由自在に歩いていた。
「活発な子あるある」なのかもしれないが、我が子が歩けるようになったときに思い描く「家族で並んで手をつないで歩く」という経験は1歳半を過ぎた今現在もまだできていない。
常に先頭で走っている。