端午の節句を最大限に楽しもうと思い息子を菖蒲湯に入れることにした。
菖蒲湯には菖蒲の葉を頭に巻いて「頭が良くなりますように」と願う習慣があるらしい。
巻いてあげたいけど、息子は肌が弱いので菖蒲の葉を巻くことに少し躊躇する。
それでも、息子にとって一度きりの初節句だし、何より私と妻が菖蒲の葉を頭に巻いた息子の姿を見たかったということもある。
菖蒲湯に入れながら「頭が良くなりますように」「丈夫に育ちますように」と、何を言うのが正解かわからないけど、それっぽい言葉を掛けてみた。
こういった昔からの風習は、自分の為なら冗談90%本気10%くらいの軽い気持ちで挑んできたのに、息子が私のように頭が悪くならないで済むなら……とちょっとだけ本気で信じてしまった。
妻には言わなかったけど、冗談70%本気30%くらいの菖蒲湯だったと思う。
初節句が無事に終わり、ゆっくり風呂にでも入ろうと思ったところで気がついた。
菖蒲の葉はまだまだたくさん残ってる。
40過ぎたおじさんでも良くなるかな……実験してみよう。
風呂場で一人、頭も体も腕も足も、とりあえず巻けそうなところ全てに巻いてみたけど、今後こういうことをしなくなったら、菖蒲の葉の言い伝えは本当ってことだろう。