歩くのつぎ[1歳2ヶ月]
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1歳2ヶ月
上達する歩き方と強くなる好奇心
歩けるようになっても、よちよち歩き。
歩く速さはまだまだゆっくり。
怪我がないように見守りながら、息子の指さしに答えることもできていた。
しかし、1歳児の成長は早い。
みるみるうちに上達して「よちよち歩き」は「てくてく歩き」に変わった。
好奇心も日増しに強くなるばかり。
高速移動しながら360度あらゆる場所を指差ししてくる。
速度を上げた息子のサポートと、天井知らずの好奇心の波状攻撃に苦戦する日々だった。
歩けるようになってからの悩み
自分の好きなところに行けることが楽しいのか、どんな時でも歩きたがるようになった。
今までなら大人しく抱っこされていた「電車やバス」「歩道がない道路」「人通りの多い場所」など、歩かせることが無理な場所でもおかまいなし。
「うっー」という掛け声とともに全身を使って「歩きたい」とアピールしてくるようになった。
息子の望み通りに歩かせてあげたいけど、公共の場所や危険な場所は我慢してもらうしかない。
バスや電車に乗るだけなのに……
道を歩くだけなのに……
どこへ行くにも「歩きたいアピール」を説得する必要があった。
そんな中で、一番困るのは買い物中。
目に映るもの全てに興味が湧いちゃうから、野菜や果物などカラフルな商品が並んでいるスーパーは息子にとっては夢の国。
真っ直ぐ伸びる売り場も歩きたい気持ちを誘うのかもしれない。
入店したと同時に興奮して「歩かせろ」アピールがはじまってしまう。
「うーうーうっー」と言っているだけなのに「ここからおろせ!」「歩かせろ!」と伝えていることは他のお客さんでも理解できたと思う。
一度だけ、買い物の間ずっと聞かされる「うー」に耐えきれず、カートから出してしまったことがある。
その結果、目に映るものをひたすら追い求めて、ちょこまか歩き回って、周りの人に迷惑をかけてしまった。
カートに戻せば、騒音レベルの激しさで暴れてしまう。
買い物を諦めて撤退するしかない。
その日は米だけ食べた。
歩くようになってから、買い物が憂鬱。
歩きに慣れたあと
歩くことに慣れると、転ぶことが少なくなった。
ようやく、怪我の心配をせずに安心して息子と一緒に歩けると思っていたら……走り始めた。
大好きな石ころや木の実を拾いながらでもいい。
新しいものを発見しながらでもいい。
なんでもいいから、ゆっくり歩いて欲しかった。
それなのに、なぜ速さを求めた?
走りはじめたばかりで、すぐ転んでしまうから、つきっきりで見守るところからやり直し。
しかも、
「走る」=「速い」
追いかける側も走る必要がある。
「走る」=「怪我の可能性大」
見守る側のミスが許されない。
「走る」は見守る側の負担が大きい。
40過ぎて、部活終わりの疲労感を毎日のように味わうとは思わなかった。
散歩中、同じくらい歳の子が、お父さんと手を繋いで歩いていた。
我が家にも、そんな日がくるのだろうか?
生まれて以来、息子が大人しかったことなんて一度もないから、想像できない。