息子は歩けたのだろうか。
今の状態は、立ち上がる。
ニコニコしながら「今から歩きますよ」という顔をする。
妻と私の視線が息子に集まるのを待つ。
視線が集まったら足を一歩前へ踏み出す。
二歩目で倒れる。
倒れ込む息子を抱き抱える。
拍手で盛り上げる。
嬉しそうな顔ですぐに立ち上がる。
また視線を集めて歩き出す。
これの繰り返し。
今はまだ二歩目が限界。
それでも、どんなに倒れても諦めずに頑張っている……というよりは楽しんでいると言う方が正しいかもしれない。
よく観察すると、二歩目の後に私や妻に倒れ込む瞬間を楽しんでいるようで、倒れる時の顔が笑っている。
しばらくすると、二歩目で勢いをつけて飛び込んでくるようになってしまい、もはや頑張ってる感はゼロ、新しい遊びを楽しんでいるだけにしか見えない。
しかし、この遊びはかなり危険で、私や妻が抱えるから成立しているけど一歩間違えば大怪我につながる可能性が高いので心配していたところ、どうやら誰かが見てないところでは飛び込まないことがわかった。
息子の飛び込む時の嬉しそうな顔からして、事前に危険を察知して冷静になってやらないを選択したとは考えられない。
恐らくはアピールをして、視線を集めて、飛び込んだ後に喜んでもう、ここまでがセットで楽しいのだろう。
息子がアピールしたがりで良かった。
ただ、歩きたいというよりも飛び込みが楽しいなら、ここからどうやって3歩目に繋がるのだろう。