2週間検診でここまでの心配事を解決できたけど、私にとっては他にも大きな収穫があった。
タクシーでは寝るということだ。
生後2週間目くらいから日中の睡眠時間が減っていて、なかなか寝付かないし、寝ても眠りが浅いのか少しの動きや音で起きてしまい困っている。
ところが、病院の行き帰りのタクシーでは何もしていないのに速攻で寝た。
そもそもタクシーの何が良かったのか……走行中の揺れが心地いいのか、ブーンっていうエンジン音がいいのか、理由はわからないけど、家でもタクシーに乗った状態を再現できれば寝るかもしれない。
「偽タクシー寝かしつけ大作戦」
まずはタクシーに乗った時とできるだけ同じ状態にする。
息子をおくるみに包んで、後部座席を再現する為にソファーに座って膝の上で息子を抱える。
次にタクシーが走行しているような状態にする。
走行中の揺れは私が細かく揺れ、時折カーブやブレーキをかけた時みたいに大きな揺れも混ぜる。
さらに「ブーンブーン」というエンジン音のモノマネも追加して出来るだけタクシーを再現してみた。
正直いうとやっていて自分でも馬鹿馬鹿しいとは思っていた。
そう思いながらも真面目に続けていると、速攻とはいかないまでも数分で寝たのでやってる本人が一番驚いた。
この技で寝かしつけの時間が短縮できれば、妻の休息時間を増やすことができて、少しは役に立てるかもしれない……そう思っていたのに、息子に偽物だと気づかれたのか、寝てもすぐに起きてしまう。
起きても諦めずに何度か繰り返してみたけど、どうやら寝ている間もずっと走り続けないとダメだということに気がついた。
ずっとは辛い。
しかも結構疲れるから、普通に寝かしつけるのと大変さはあまり変わらない気がする。
結局、タクシーの再現がなくても、心地よく揺らしてあげればいつかは寝るってことだろう。
偽タクシーは廃車になった。
「寝かしつけには揺らし」
忘れない。
そんな私の隣で母親のおっぱいを飲みながら、心地良さそうに眠りについた息子を見て、母親の偉大さを思い知って、次の作戦を考えるのはやめることにした。
そして、生後2週間から父親の馬鹿な作戦に付き合わせてしまいごめん。