ベビーモニターというものがある。
ちょっと離れて家事をする時などには便利らしいけど、我が家の広さを考えると家の中で息子と離れられる距離はどんなにがんばってもたかがしれている。
なので、我が家では必要ないものと考えていた。
ところが妻の友人からベビーモニターを譲ってもらえることになった
。
いまだに必要性を感じていないままだけど、せっかくなので数日前から使い始めている。
この日は妻が外出することになり、私と息子の二人きりでお留守番となった。
息子と二人きりだろうと、今の私には抱っこ紐という最高のアイテムがあるから、何も恐れることはない。
妻の「いってきます」から「ただいま」まで、息子は抱っこ紐の中ですやすや眠って、母親が留守だったことなど知らないまま、何事もなかったように目を覚ますだろう。
自信満々の抱っこ紐姿で妻を送り出してから少し経った頃、お腹が痛い……
抱っこ紐をつけたままトイレに行けるのか……大丈夫だとしても、生まれたての我が子が何だか穢れるようで、気持ちの面でちょっと無理。
妻が帰ってくるまで我慢するか……まだ1時間以上ある。
抱っこ紐から下ろしたら息子は泣いちゃうし、かといって私もこれ以上先にいったら泣いちゃうので、諦めて息子をベビーベッドに置いてトイレへ急いだ。
予想通り息子はすぐに泣き出し、泣き声がトイレの中まで聞こえてくる。
でも、心配いらない。
私にはベビーモニターがある。
離れた場所にいても息子がどんな状態かしっかり確認できるから、トイレの中でもソワソワすることもなく心に余裕を持ちながら自分との戦いに集中できる。
「ベビーモニター最高。」
赤ちゃんと壁一枚しか離れられない我が家のような狭い家でも、ほんの一瞬だけでも離れないといけない時に安心して離れられるってことがすごくありがたい。
モニターが無い時は大丈夫だとわかっていてもどこか心配で落ち着かなかったから、モニターがあると気持ちの面での負担が減ったと思う。
ベビーモニターへの考えが変わった。
妻のおっぱいの状況は良くも悪くもならないままで、今はひたすら飲ませるのみ。
この状態の時の母乳は不味いらしいけど、息子も「キュンキュン」と聞いたことのない声を出しながら吸っているので、本当に不味いのだろう。