生後1ヶ月になった。
子供が産まれてから、もう1ヶ月がたったのか……新生児を振り返って、たぶんほとんどの親が同じ感想な気がするけど、あっという間すぎるほどあっという間だった。
生後何日が生後何週になり、生後何週が生後1ヶ月となる。
41年生きてると年齢なんて何も感じないけど、生後1日から2、3、4、5日……と見続けていると、あたりまえのことだけど、年齢が生まれてからの期間だってことに改めて気がつく。
毎日妻のおかげで何とかやってこれたけど、思い出すとすべての瞬間が不安でいっぱいだった。
息子の寝顔を夫婦そろって「かわいいね」なんて見ていると、静かなことが逆に心配になって呼吸をしているか鼻や口に顔を近づけて確認したり、おむつを変える時はおしりの可愛さにうっとりしても、うんちの色や柔らかさ、回数がどうなのか心配で確認したり……
毎日「可愛い」が増えるけど、必ず「心配」がセットでついてきた。
「寝る、寝ない」「睡眠時間は長い、短い」「あまり泣かない」「声が小さい」「目が開いてない」「片目ずつしか開かない」「目が合わない」「同じところばかり見ている」「笑わない」「ゲップが出ない」「足をピーンとしすぎ」……
どれも我が子の可愛い瞬間だけど、そのまま可愛いだけでは終わらずに不安もセットでついてくる。
気付くと新生児の動画を検索して、息子と比較するようになってしまった。
成長も特徴も赤ちゃんによって違うから、他の子と比較することに意味がないことはわかってるはずなのに、少しでも早く安心したかったんだと思う。
もともと何をやるにも不安が先にくる性格だけど、親としても男としてもまだまだ弱いことを実感した。
散々、息子と動画の赤ちゃんを比べて、検索しても同じ動画しか見つからなくなってきたあたりで「この子は……あれ?デカいかも」と疑問に思って、ようやく自分のバカさにも気付いた。
生後2週間といっても「2週間と1日」と「2週間と6日」では、この5日間の差だけでも全然違う。
息子の髪の毛は定年間際のおじさんくらい薄いけど、生後1ヶ月でも既にフサフサの子もいる。
生まれた時の体重が2000gの子もいれば倍の4000gの子もいたり……
同じ月齢の赤ちゃん同士を比較するこの答え合わせは、まったく意味の無いことだった。
それに気づいてからは「可愛い」に「心配」がセットでついてくることが少し減ったけど、どうやっても心配が0になることは無いみたいだ。
そして、1ヶ月記念の写真を撮った。
どんな写真がいいか調べてみると、スタジオで撮影している人もいれば、自分で撮ってる人もいた。
なかでも自作の寝相アートにはアイデアも工夫もすごくて驚いた。
同じように育児をしながらで、このクオリティはとても真似できない。
挑戦する前から諦めムード。
そういえば他人と比べて不安になるのは意味ないということにしたんだから、身の丈にあった我が家らしい撮影でオッケーということにしよう。
「我が家らしい」とか「身の丈」という言葉に逃げるつもりは無いけど、出来上がりを見ると……