ここまで順調だったはずの、息子と私のお留守番生活に、少し暗雲が立ち込めている。
妻が出かける前からぐずり気味ではあったけど、妻がいなくなった瞬間から本領を発揮しはじめた。
私一人で手に追えるかどうか……
睡眠時間が短いという報告は受けているけど、機嫌が悪いのはそのせいかもしれない。
ならば、寝かしつけてみると、さらに機嫌が悪くなってしまった。
寝かしつけで揺らされることを極端に嫌がって、泣いて、暴れて、私の顔を引っ掻いて。
(なんか痛いと思って鏡をみたら顔に引っ掻き傷があることがある。)
妻が帰るまでの間、ずっとぐずっていた。
ところが、帰宅した妻の顔を見た瞬間、ずり這いの自己新記録を更新するスピードで近寄って、私の前ではぐずっていたことが嘘みたいに、満面の笑みを浮かべている。
そして、帰宅したばかりの妻が手を洗いに洗面所へ行って姿が見えなくなった瞬間にギャンギャン泣いて妻を探している。
「おーい……父はここにいますよー」
妻に抱っこされると少しずつ落ち着いてきて、ようやく私に笑顔を向けてくれた。
しかし、その笑顔は少し複雑。
妻が帰ってきた時の笑顔を私は忘れていない。
あれと比べたら笑顔度30%くらいだろ。
ちょっと悲しい……いや、相当悲しい。
父ちゃんが大好きだったあの頃に戻れるかな。