バスに乗っていたら、息子に興味を持ってくれた老夫婦が話しかけてきた。
「ずいぶん若いのね。20歳くらい?」
おばあちゃんが私の年齢を聞いてきたので答えようと思ったら、答える前におばあちゃんが続けて話し出した。
「大丈夫かな」
何がだろう。
それを聞く前にまずは私の年齢を答えようと思ったところ、さらにおばあちゃんが話し出す。
「最近ニュースでかわいそうな事件多いから心配なの」
そういうことか……
心配かけるのも悪いので、まず私の年齢を教えようとしたところ、私が話す前に今度はおじいちゃんが話し出した。
「大丈夫だよ。親だけじゃなくて、まわりが育てるんんだ。テストで100点取らなくったていい。総理大臣にだってなれるんだ」
フォローしてくれてる。
しかも、じいちゃんいいこと言ってるな。
この流れにのって私の年齢と大丈夫だということを伝えようと思ったら、私より先におばあちゃんが話し出した。
私の番はまだ来ないのか……
「最近いろんなニュースがあるから心配…ちゃんと育てなさいよ」
その話2回目だけど、そんなに心配なのか。
おばあちゃんにさっさと大丈夫だと伝えたい。
それなのに、おじいちゃんが話し出す。
「大丈夫だよ」
おばあちゃんが
「最近いろんなニュースがあるからちゃんと育てなさいよ」
おじいちゃんが
「大丈夫だよ」
何回やるんだろう。
同じ話をずっと繰り返してる。
おばあちゃんにはちゃんと育てられなそうに見えたのかもしれないけど、私としてはそんなことはどうでもいい。
そんなことより、40過ぎて20代に見られるのはさすがに傷つく。
自分でもうすうすわかってるけど、やっぱり頼りないオーラが出てるのか。
父になってからは出ないように頑張ってたつもりなんだけど……
もしかして、マスクと帽子で年齢がわからないからか若く見えただけかも……たぶんそうじゃない。
全身から頼りなさが溢れてるんだろう。
落ち込むね。
と思ってたら私が話す番がきたっぽい。
「がんばります」
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